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  • 執筆者の写真Yusuke Fujisawa

エクサウィザーズ  採用責任者 半田頼敬さんとの対話

更新日:2020年5月19日






藤沢   最近いかがです?(コロナによる影響で)今、転職志願者が多いんですよ。

半田   そうなんですね、どんな方に多い傾向ですか?

藤沢   産業によりますが、長期的に見てビジネスモデル見直しが必要な業界の方や、コロナ対応で社員エンゲージメントが下がっているチームにいる方が多いですね。マネジメントが上手くいっていなかったり…。

半田  なるほど。今日は、例の対話インタビューですね。

藤沢  そうです。僕のホームページにのります。

半田  以前、藤沢さんのキングコング西野さんのインタビュー記事を読んで、それから色々な記事を見て面白い取り組みだなと思っていて。錚々たる方々の中で、なんで自分がインタビューして頂いているのか謎です。......恐縮です。

藤沢  いえいえ、日頃たくさんの素敵な方とお付き合いしているのですが、その中で僕の直感で選んでいます。今日は宜しくお願いします。

半田  宜しくお願いします。

藤沢  早速、簡単に自己紹介をお願いします。

半田 今、ExaWizards/エクサウィザーズ (以下:エクサ)の採用責任者をしています。ファーストキャリアはベネッセでマーケティングをやっていました。次にリクルートで、リクルートが買収したindeedにいました。

エクサに入社したきっかけは、DeNAの春田元会長とリクルートAI研究所の初代所長の石山さん、とても面白い方二人が組んで2つの会社が合併してできたタイミングで。これから会社を大きくしようとしているときだったんですが、専任の人事がまだいないときでした。

藤沢 素晴らしいタイミングですね。今では、Linkedin Topスタートアップの1位forbesの起業家ランキング2位など、勢いがある会社に成長してるわけですね。

半田 今となっては笑い話ですが、最初石山さんとカジュアルチャットしてる時に、僕が会社名を間違えて。

エクスウィザーズだったかな。

名前を間違えても、今こうしてエクサに入れているので、僕は会社の名前を間違えられることに寛容なんですよ(笑)。

藤沢 採用責任者なんだから、間違えられないようにしてください(笑)。

半田 その後、カジュアルに石山さんと1〜2時間くらい会話して盛り上がって、次の朝に春田さんに会うことになって。

藤沢 展開が早いですね。




半田 すぐに春田さんの著書「黒子の流儀」を読んで。ここまでいろいろな経験されてきている人の朝の時間をいただくのだから、何かギフトを持っていきたいと思って。とりあえず春田さんがベイスターズを愛していることは伝わってきたので、

次の日の朝だったんですけど、ベイスターズのユニホームを友人に借りて面談に望みました(笑)。

コートの下にユニフォーム仕込んで、挨拶する瞬間バッと脱いだら、春田さん、めちゃくちゃ笑ってくれて。そうこうしてるうちに「いつからきますか?」みたいな流れになって(笑)。

藤沢 こちらも展開が早い(笑)。決まっていたかのように。

半田 スタートアップの採用はスピード感が重要ですからね。

だから、スタートアップの経営者クラスと会う時は、気づいたら働くことになっている可能性があるので気をつけてください(笑)。

藤沢 肝に銘じておきます(笑)。

半田 もちろんリクルートに残ることも選択肢にあって、スタートアップに来たことで失ってしまったチャンスもあると自覚した上で、いまは「スタートアップにきて良かったな」と思えるので、「勢いは時に大事だ」と思います(笑)。

藤沢 勢いは大事ですよね。仲間に恵まれたことが大きいですが、僕も勢いで会社作っちゃいましたし(笑)。半田さんはエクサさんにきて良かったと思えることって何ですか?

半田 リクルートにいた頃からも、ありがたいことに面白い人と出会うことに恵まれていて。ただ、エクサに来てそれに拍車がかかったというか。

エクサに入るような人は、自分で事業を起こされていたり、凄腕のエンジニアとか、外資戦略コンサルファームのトップの方、大企業の社外取締の方など本当に多岐にわたって、そういう方たちと気軽に職場で話せるのは刺激的で良い経験になっています。





藤沢 エクサの方は、なかなか出会わない尖った方が多いですよね(笑)。

半田 人事なので社内の人と出会うことが多いですが、社外でも魅力的な人と言うと、それこそ藤沢さんもそうですし。

そもそも石山さんがすごく有名な方なので、巨人の肩に乗っかるじゃないですが、仕事を通じて業界の方々と話をしたり、仕事をする機会をいただけてありがたいですね。

藤沢 エクサさんって僕から見て改めて「人財のホットスポット」の印象が強くて。比較する話ではないですが、僕自身、新卒でDeNA(2012年入社)でイケイケドンドンとすごい勢いの潮流にいた経験がありまして。

当時の同期だったり先輩含め、熱量やスキルを持った人が仲間たちと一緒に起業家、事業家として活躍されています。(同期のサービス:BASEFOOD社、YOUTRUST社、CLUE社、SYN社(デリバリーサービス「Chompy」)、スペサン社、トレッタ社)

実際に、僕がキャリア支援で関わる熱量やスキルを持った方は皆さん、エクサさんにチャレンジしたいという方がほとんどです。

半田さんは、現状をどう思われています?

半田 社会課題を解決するという大きなビジョンを掲げて少しずつプロダクトやサービスをリリースしていますが、まだまだ道の半ばだと思っています。

藤沢 2年くらい採用支援でお付き合いさせて頂いていますが、半田さんずっとおっしゃっていますよね。フェーズが変わってもまだ何も実現していないぞ、と。

半田 実際、社会課題解決のために実現すべきことは本当にたくさんありますから

藤沢 僕が感じるエクサさんの目線の高さは、仮にプロダクトで社会課題が解決される世の中になってきても良い意味で「まだ何も実現していないぞ」、とおっしゃるのだなと思っています(笑)。

半田 そうかもしれないですね(笑)。

でも例えば、僕がベネッセ時代に携わっていたサービスは、小学1年生の3人に1人は使ってくれていたり、リクルートのindeedも世界的に使われる検索エンジンですし、それらのプロダクトと比べると、まだ社会インパクトは残せていないと思っています。

藤沢 なるほど。これから半田さんはどういう人と一緒に働きたいですか。




半田 個人としての所感という話になってしまいますが、困っている人を見たら助けたいと思う力、共感する力を持っている人ですね。エクサではエンパシーというんです。僕はそういう人を尊敬していて。お金儲けのことだけを考えているとか、能力がいくら高くても、お金儲けのことしか考えていないとか、その方とは一緒に働きたくないかなぁって僕は思います。

藤沢 すごく、わかります。

半田 あと、「優しさ」も大事なんだけど「強さ」もないとダメだよねと。

社長の石山さんと初めて会った時に「優しさ」と「強さ」が共存した会社を作りたいって盛り上がって意気投合したんですが、その頃から変わっていません。会社のバリューも、エンパシー(課題に共感する力)、エボルブ(個人も組織も進化させる力)、エクゼキュート(期待を超えてやりきる力)を掲げています。

困っている人を助けられる共感力というか、「今の半田、エンパシーなくない?」って社内で言われると「あー、どうだろう。」と改めて考えるきっかけになったりします。

エボルブでいうと、「優しさ」と「強さ」の「強さ」の方で、尖った才能というか、例えば凄腕のエンジニア力とか、プロジェクトを進めるマネジメント力とか、藤沢さんでいうと人を繋げる力とかそういう部分だと思います。

その「尖った才能:強さ」を伏せもったうえで実行して、最後のエクゼキュートは根性というか(笑)。

何が何でもやりきるぞ、というやりきり力で、苦しい状況でも乗り越えて、周りや社会からの期待値を超え続けるぞ!という心構えは、実はとても大事ですよね。

藤沢 このバリュー、改めてすごく共感できます。僕も根性で乗り切ること、多いかもしれない(笑)。

半田 パッション、重要です。


これはエクサ関係なく、僕は子供を持つがん患者向けのコミュニティサービスのボランティアをしてるのですが、そこでも、社会課題を解決するのであれば、「優しさ」「強さ」「やりきる力」は必要だなーと思ったりしています。

実は、僕が3歳の頃に、癌で父親を亡くしていて、母子家庭になっても楽しく生きてこれたのは、いろいろな人や社会からの「優しさ」と「強さ」に支えられて生きてきたという実感があるんです。

だから、「優しさ」だけじゃなく「強さ」もないとダメなのだと、心から思いました。

藤沢 「優しさ」と「強さ」。僕も共存させていきたいですね。半田さんはwithコロナのタイミングで、これからの変化というか、どうなっていくと私見をお持ちですか?

※グイッとお酒を飲み始める半田さん



半田 withコロナの世界ですか…。1週間単位で状況が変わっていくので、このインタビュー(4月下旬)時点の考えの前提です。

まず世の中は完全にコロナ前に戻ることはないだろうなという感じですね。

一方でこれはチャンスが来たなと。

僕は、司馬遼太郎の著書の『坂の上の雲』のなかで語られている歴史観が好きなんです。

大航海時代って先に何があるか分からないけど、スペイン人のラテン系のノリで突き進んでいったら南米大陸を発見したり、色々なフロンティアを見つけるなど「勇敢さ」が功を奏して、富を築いた時代がありました。

科学によって安心安全な航海術ができて、航海が読めるという状況になると、艦隊という組織的な力が必要になってくる。人間の組織を有機的に動かせることに価値が出始めると、また違う国民性を持った国が強くなる。

こういう世界ではイギリス人が強くて、システムやルールを構築しました。なので、その時代に合った「勝てる国民性」が大きく影響しますよね。

藤沢 だんだんと話が熱くなってきましたね。いつものように話、長くならないようにしてくださいね(笑)。

半田 もう少し話をさせてください(笑)。あと、司馬史観からは離れるのですが、日本が高度経済成長期で伸びていったのは、ものづくりの大量消費・大量生産が背景にあって、その時の日本の国民性が合って、一気に伸びていった。ただ、今の日本の国民性では世界のルールで勝つのは難しいと思っています。

変化のスピードが早かったり、グローバル・サービスが当たり前になる時代には、いかにトライアンドエラーを回せるか、という技術的な尖りが大事になってくる。例えばテックスタートアップが次々に出てくるイスラエルでは、歴史的・軍事的な背景もあって、「強い相手に挑む文化」「失敗を語れないやつは信用に値しない」という文化があったりする。

日本人で言うと、本田圭佑選手のいう挑戦した数が勲章だというか、そういう感覚に近いですよね。

小さくスピーディにやっていくって文化、そういう国民性が今のルールで勝つ世界なんだろうなって。

そんな中コロナを受けて風向きがだんだんと変わってきたように思えます。

高齢化・人口減少という課題は日本が初めて迎えるし、ここでの成功体験が、人類の課題を解決する可能性だってある。エクサが起こすイノベーションが、世界のイノベーションモデルになると考えているんです。




藤沢 まさに、その可能性がありますね。

半田 はい。

そしてこのコロナの状況に関しては、これまでは日本企業がどうしても二の足を踏んでいた新しいことをどんどん試していく社会に変わっていく、変わらざるを得ない、という意味で、チャンスだと思っています。

コロナを受けて、エクサではブレスト会が開かれて、こういう状況だからこそ何ができるか、何を作るかみんなで議論してヘルスケアとかメドテックとか、すぐにボトムアップで100程度のアイディアが出てきました。すでにリリースしたりしているサービスもあります。これからもどんどんリリースしていきます。

みんな、社会を本気で解決しようとしている「優しく」「強い」集団なので、改めて頼もしいと思いましたし、プロジェクトが成功するかは結果論ですが、こういうときは大企業よりも小さいチームの方が動きやすいですよね。

全世界が答えの見えない中で、よーいドン!と言う状況なので失敗を恐れず、挑戦していくべきなんだと思います。こういう時代だからこそ、エクサのような集団にいて良かったと思っています。

藤沢 大企業やスモールチームそれぞれの良さがありますが、やっぱりどういう文化の集団にいるか大事だとわかります。失敗を恐れないとか、チャレンジを許容できることもすごく大事な考えですね。

半田 これからも挑戦していければと思います。




藤沢 最後に僕のことはどう思いますか。

半田 最初はメガネに色ついてるなって思いました(笑)。

藤沢 確かに、色ついてましたね(笑)。今でもうっすらついてますよ。

半田 でもそれは冗談で、本音を言うと信頼できる、仲間だと勝手に思っています。当然ビジネスパートナーとしての信用を超えた、なんとなく同じ様な方向を向いてるなと言う人格に対しての信頼みたいなものがあります。

藤沢 そう思っていただけて、ありがとうございます。

半田 あとは、すごい目を見てくるじゃないですか。

藤沢さんから、「エクサの話や事業の話をしてるときの半田さんは本当に楽しそうに、イキイキしてます」って言われたとき、はっとして。

自分に興味を持ってくれてる人だからこそ、客観的な気づきをもらえてるので、毎回話をするのが楽しみです。

あとは僕と藤沢さんが共通しているのは新しいことが好きと言うか。藤沢さんのコネクターのイベントに誘われた時にも、コミュニティ向けのプロダクトを藤沢さんのチームが作っていたり。そういう新しい動きをしているのが素晴らしいですよね。応援しています。




藤沢 ありがとうございます。最後に半田さんは人に興味がありますよね。

半田 そうですね、人は好きですね。

藤沢 それを聞けて嬉しいです。今日は、楽しいお話をありがとうございました。

半田 こちらこそ、ありがとうございました。




半田 頼敬 / profile


慶應義塾大学文学部社会学専攻卒業、2010年ベネッセコーポレーションに入社し、マーケティング、商品開発、事業開発に従事。2015年リクルートホールディングスに中途採用担当として入社し、子会社のIndeed, Inc.のPMIの一環として開発センターの立ち上げに伴い、国内外の新卒・中途のTech系人材の採用プロジェクトに従事。また、リクルートグループ会社の海外子会社設立に伴い、現地責任者の採用のプロジェクトを経験。


“AIで社会課題を解決し、幸せな社会を作る”ことを志す会長・春田(元DeNA会長)、代表・石山(リクルート人工知能研究所初代所長)のビジョンに共感し、2018年にエクサウィザーズに参画。以降、人事責任者として、採用を中心に組織開発などに従事。Linkedinが選出する”日本で最も勢いのあるスタートアップランキング、TOP STARTUPS2019で1位に選ばれた。2019年10月からは採用責任者を務める。2019年 Linkedin Japanが選出する人事でMVPを受賞。

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